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小さいころの記憶-「泣いてもしょうがないんだから泣くな」

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泣くと怒られる

小さいころって、泣くこと多いと思う。
泣いちゃって、よしよし、ってしてもらって落ち着いて…っていう流れ、そういうもんじゃないのか。
私は小さいころ泣いて、なぐさめられた覚えがない。

いつも言われた。
「泣いたってしょうがないんだから泣くのやめて。」
「自分が悪いんだから泣くのやめてくれる?」
「泣いたらどうにかなると思ってるの?」

泣いたってどうしようもないことなんてわかってるよ。泣いてどうにかなると思ってないよ。
自分が悪いことしたときは、自分が悪いことなんて分かってたよ。
でもいろんな感情があって、泣いてしまって、それがそんなにだめなことだったの?
泣くことによってどうにかならないと泣いたらだめなの?
自分の感情が出てしまうっていうだけの理由なんだけど、それだけの理由で泣いたらだめだったの?

『腹が立つから泣くんじゃないよ』
…とはっきりは言わないけれど、完全にその言葉が表情から出ている。
本当に心から軽蔑して、うんざりして、嫌悪している顔。

「あぁうっとうしい自分が悪いくせに泣いてどうにかしようとして同情してもらおうとでも思っているんでしょうけどこっちはそんなことしても許さないけどな泣かれると腹が立つんだよだから泣くなよ泣きやめよ」
…っていう心の声が全開の様子だったなぁと今でも思い出せる。
簡単に、目の前にあの頃の母親が現れる。
そんな言葉を吐く母親のそんな顔を目の前にしたら、めそめそ泣いていること自体がはずかしくなった。
自分が泣いているのが本当に本当に恥ずかしくなって、心がじゅわっとした。
だからもう泣くのを堪えるしかなかった。

だから泣けない

泣きたい気持ちになる事なんて、生きてきた中でずっと、たくさんある。
悲しくて悲しくて、でもどうしようもなくて、もやもやして、泣きたい気持ち。
でも、悲しくても、なかなか実際に泣くことができなくなった。
涙が出てこない。悲しい、苦しい、という、泣きたい感情を表に出せない。
いつからだったのか、それに気づいたのがいつだったのかは思い出せない。
でも、今でも私にとって、泣くことというのがとても難しい。
どこかで勝手にブレーキがかかる。
どうにもならなくても、状況が変わるわけではなくても、自分の気持ちを少しでもどうにかするために「泣く」ことは必要な時があると思う。
でも、私はそれができない。
「泣けたら少しは気持ちが発散できるのではないか」と思うときがある。
でもできないんだ。
ただただ耐えて、苦しい悲しい気持ちがなくなるのを待つことしかできない。
考えたってしょうがないことをぐるぐる考えながら、ただ耐える。

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