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小さいころの記憶-脳天をコンクリートに落とされる

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子どもの扱い

子どもって、大事にしませんか?
ケガしないようにとか、ちゃんと捕まえておかなきゃとか、そう思うものじゃないの?
精神的に、心を大事に、とか、それももちろんあるんだけど、それ以前の話。
「ケガさせたくない。」っていう気持ち、本当にそういう話。
そうじゃない人間がいるんだって、大事にされてきた人にはわからないだろうな。

コンクリートに脳天

誰かが家に遊びに来ていて、それを見送るとき。
父親の両手をつかんで、そのままぶら下がって、さかさまになっていた。頭が下になっていて、足が上になっている状態。
そんなことができるくらい、小さいころだということだ。
そのまま、手を離された。
当然、落ちる。そのまま、頭がコンクリートに激突。どうやっても受け身なんか取れる状態じゃないので、直撃。
目の前が真っ白になった。痛い。
一体どうなっているのか、でも、自分が落ちたこと、痛い思いをした事が恥ずかしくて、泣かなかった。何もないふりを頑張ってしようとした。それはもちろん、いつも母親に言われていた、「泣いてもしょうがないんだから泣くな。」が呪文のように効いていたからというのもあると思う。

さらにその後、そもそもそうならないように、手なんか絶対離さないのが当然なんだけど、もし、そんなことをしてしまったら?慌てて心配して、どうしよう、ごめん、頭、ってなるもんじゃないの?
全然、慌てる様子なんか全くなく、そのまま、頭を確認することもなく、声をかけることもなく、何もなかったように私を置いて、家の中に入っていった。
人を送るという目的が達成したというだけで、もうやることがなくなったからもといた場所に戻ったというだけ。


思い出しながら文章にしていて、再確認。やっぱり異常だ。おかしいな。どう考えてもおかしい。
自分がその場にいると、状況をわかっているつもりでもやっぱりどこか主観が残ってしまって、いいように考えてしまうのかもしれない。
あぁ、おかしい。異常だ。頭がおかしいとしか思えない。
自分が親になってさらに実感があるから、その異常さが分かるのかもしれない。
少しでもケガをさせないように、ケガをしてしまったときは、なんでもっとこうしなかったんだろうと何度も何度も後悔して、自分を責めて、落ち込んで…という、そういう気持ちが、あの人間には一切ないのだ。

あぁ本当に、血のつながった本物の親に、そんなふうにしか考えられてこなかった自分、かわいそうだな。

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