MENU
月別アーカイブ

学生時代の記憶-たった一言で完全に糸が切れた高校入学前

目次

「勉強しなさい。」ってずっと言われてきた。

小学校のころからずっと、言われてきた。
「勉強しなさい。」と。
テストは100点じゃないと、なんで100点じゃないのか、と怒られた。
といっても、100点取ったからといって褒められるわけではない。授業でやったことが出るだけだから100点が当たり前、という考えだったので、それ以上でもそれ以下でもない。「できて当然」なんだそうだ。
それでも勉強できなくはなかったので、なんとかやっていた。
でも、もちろん、たまにいる天才の人のように何もしなくてもずば抜けてできるわけでもないので、それなりになんとかやるしかなかった。
怒られないように。

中学校まではなんとかなった、ということになると思う。

受験合格

高校は一応、その地区の進学校に合格できた。
私だって、勉強はしてきたわけで、それで受かったのだから、合格したのはうれしかった。
その高校に行きたいという気持ちももちろん大きくなっていたのだし、これから楽しい高校生活が待っているんだと思っていた。
勉強だって頑張ろうと思っていた。

高校入学直前の母親の言葉

そんな中、もうすぐで高校入学、という頃。
母親が言ってきた。

「同じレベルの子たちが集まるのだから、順位もどうなるかわからないから。」

というような事を。
他にも多分いろいろな言葉で説明はされたと思う。どういう言葉で言われたのかははっきりと思い出せないけれど、母親としては、今まで中学校ではそれなりの成績を取れていたけれど、高校に入ったらみんなそれくらいの学力の人が集まるのだから、順位が下がってしまっても落ち込まないように、と言いたかったようだ。

その意図は分かる。一応母親も、娘が気持ち的に落ち込まないように言っておきたかった部分もあったのだろう。
でも私はこれを聞いた瞬間、本当にその瞬間に、言葉として、文章として考えていたわけではないけれど、ぱっと、自分の中で感じたものがあった。

「あぁ、もう勉強しなくても怒られないんだ。」

不思議な感覚だった。
怒られるからという理由はあるものの、それでも自分でせっかく頑張ってきたのに、急に梯子を外された感覚。
今まで必死にやってきたのは何だったのだろう。
その瞬間にもう、勉強を頑張ろうという自分の中のやる気メーターが完全にゼロになった感じだ。
自分が今までなんとか頑張ってつなげてきた神経がこの言葉で完全にぷつっと切れてしまった。

その感覚のまま、入学しても、もちろん、勉強なんてやる気が一切起こらなかった。
だってもう、テストで悪い点を取っても、クラスの中で成績が一番悪くても、母親に怒られないのだから。

急に手をはなされる

心から、自分の経験から思う。怒られるからといって勉強したところで、意味はない。一生怒られ続けなければ勉強しなくなるという事だから。

私はただただ、怒られるから、勉強していた。怒られないように、勉強をしていたのだ。

高校に入ってから、母親が勉強について言ってくる事はほぼなかったと思う。
ほんのつい前まで、完全に支配していたのに。
それはそれで無責任ではないのか。
突然手をはなして、はい、自分でやってください、と言われても、今まで自分で考える事もできなかったのに、それは無理ではないか。

勉強する事、の先にあるもの

テストで100点を取るために、受験のために、入学したいどこかの学校に入るために、生きているのではない。
今、学校でやれと言われている勉強するのは、もっと先にある、人生の目的のためだ。正直、私は今の学校の教育の中での勉強というもの、またはそのやり方というものがいいものだとは思えない。でも、それでも今のその制度なりなんなりが変わらない限り、その中でやっていくしかないから、先の事を考えて、その学校に入らないとできないことをしたい、というのなら、そのための勉強をしなくてはいけないとは思う。方法でしかない。

でもその中で、絶対に、自分がどうなりたいか、何のためにやらないといけないのか、その根本を忘れてはいけないし、それを考えていかないと、目の前の事だけ見ていると、それらにつぶされていってしまうと思う。

私は人生の目的とか、そんな事を考える事がなかった。ただ母親に言われるようにひたすら目の前のテストや受験を乗り越えるためだけに勉強していたし、その後の将来の事を考えてもいなかった。
でも、もう小学校からずっと、母親はそうやって、「勉強しなさい。」「できないなんてありえない。」というスタンスでやってきたのだから、それを通してほしかった。急にそういうふうに、勉強しなくても怒られないんだ、って思わせるような事をしてほしくなかった。

世間のおとうさんおかあさんへ

もし今、受験生の子どもがいる方や、子どもに勉強させたいと思っている方、これからそういう事があるかもしれない方が読んでくれていたら、本当に、心の片隅にこういう失敗した例があるという事をなんとなく覚えておいてもらえたらいいなと思う。

ずっと怒ってやらせてきた場合、怒られないと思った瞬間に、やる気がなくなるかもしれないよ、という事。
急に梯子を外す事はしないでほしいな、とも思う。
私がそうだっただけで、もちろんそんなことない子もいるのは分かっているけど、自分の目的とか、そういうものがないと、そういう事が起こってしまうかもしれない。

勉強を頑張っている子どもたちへ

私が考えていなかっただけで、今時の子たちはもっとしっかりしてるのかもしれないけど、でももし、同じような子がいたら、伝えたい。
勉強をする、テストでいい点を取る、受験に合格する、という事が重要なのではなくて、その先の自分の人生のために、どうしたいかをちゃんと考えてほしい。その上で勉強を頑張れたら、全然違ってくると思う。
「勉強なんてしなくていい。」とは言わない。自分の人生のためにすごく重要な時もあると思うから。

でもまず、考えてほしい。自分が将来、大人になった時どうしたいのか、どうなっていたいか。
そのためには、今、どうすればいいか。

高校の時、赤点とか取っちゃう私に担任の先生が言ったこと

とにかくもう、完全に高校生から勉強をしなくなった私。
赤点とかも取っちゃったりしていた。
そんな私に、担任の先生が不思議そうに言ったことがある。

「入学直後の実力テストとか、クラスで最後とかそんな悪い成績じゃなかったのになぁ。」

ということらしい。
高校入学当初の私の成績は、別に母親が心配してそんな言葉をかけなくても、大丈夫だったようだ。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次